発達障害の診断 チェック

 

 

Ⅰ. 発達障害の診断 まさかうちの子!? 発達障害のチェック

障害という言葉が、言われるようになって久しいです。発達障害は、以前は自閉症や注意欠陥多動障害など、知的な遅れがないのに、対人関係や行動面で特異な(変わった)特徴を現す人、とされてきました。しかし近年、特にDSM−5(アメリカの精神医学会が作成している診断のためのマニュアル)が発表されて(2013)以来、スペクトラム、の考え方が広まってきました。

スペクトラムとは、つながっている、ということです。従来の基準で「自閉」と診断されるところから、「なんか自閉っぽいよね〜」「行動の特徴が」「興味の偏りが」「同じ、なことが好きだしね。同じじゃないと、怒るしね。」「扱いづらいよね;;」といったことが、一つの線状にできるものなのではないか、ということです。

図形で言えば、こんな感じ。

 

 
 

行動の特徴が、個人差や性格、特徴、こんな感じの人だよね〜 と言われるところから、従来の診断基準 を満たす範囲まで、いろいろなんじゃないの? ということです。そして、ASDという診断名を、あちこちで見かけるようになりました。

気になるASDの診断基準を、DSM-5のままに、掲載してみます。

A.複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互作用における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる。

(1)相互の対人的ー情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近付き方や通常の会話のやり取りのできないことといったものから、興味、情動、または感情共有することの少なさ, 社会相互反応を開始したり応じたりすることができない事に及ぶ。
(2)対人相互反応で非言語的コミュニケーション行動をとることの欠陥。例えば統合の良くない言語的と非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥。顔の表情や非言語コミュニケーションの完全な結果に及ぶ
(3)人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば様々な社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他者と一緒にしたり友達を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ

B. 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも二つにより明らかになる。
(1)常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話(例:おもちゃを一列に並べたりものを叩いたりするなどの単純な常同運動、反響言語、独特な言い回し)
(2)同一性への固執、習慣への頑ななこだわり、または言語的、非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に関する過度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食べ物を食べたりすることへの要求)
(3)強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限局したまたは固執した興味)
(4)感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように思える、特定の音または感触に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)

C.症状は早期に存在していなければならない

D.その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている

E.これらの障害は、知的能力障害または全般的発達遅延ではうまく説明されない。知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的 発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。

 

なので、もしかしてうちの子 発達障害?!
そのためのチェックリストは?!

と言われたら、上のチェックリストになります。(自閉スペクトラム症に関しては)

しかし、これに当てはめてチェックするって、そう簡単なことではないですよね??
また、このページを読んでくださっていると思われる、保護者の方がお困りなのは、医学的に診断をつけて欲しい、ということではないですよね?
子育てのやりにくさ、そして将来や子育てへの不安の方ですよね?

そのために、チェックリスト、欲しいし、うまくいかない理由が知りたい。そしてもしかして今、出来ることあったらそれをやりたい。これらにお応えできるように、このページは書いていきます。
 

Ⅱ. 子どもの中で何が起きているのか

上に書いたのが、自閉と言われる状態の説明です。そして、もう一つ子どもの中で何が起きているのか、理解する上でとても大切な軸があります。それが知的な発達の側面です。

先ほどから文章の中に出てきていますよねー。「知的な遅れがないのに」とか、「E.これらの障害は知的能力障害〜ではうまく説明されない」とか。??それって、何ですか。

さて、知的な能力の観点には2つあります。

一つは誰もが通る道、発達です。例えば、「A(1)通常の会話のやり取りができない」と言ったって、通常の会話のやり取り・・2歳だったら出来ないですよね。できないのが普通です。でも、実際いらっしゃいます。「うちの子、自閉なんです。喋れるようにしてください。」喋れないです。知的な能力が1歳くらいなければ、喋れないです。自閉、の行動の方が目立ってしまうと、自閉のせいだと思われることがあるようですが、知的な発達はそれとは別にあります。そして自閉的な行動をどのくらいコントロールできるかは、知的な能力に依るところも多いです。

知的な遅れって何? 知能検査とは?

まず、ここでお断わりまします。「知的に遅れている」って、何か残酷な感じがしませんか?何か、うちの子、もっと特別なものの方が良い感じがしませんか?発達障害、とか学習障害、とか、そっちの方が良くないですか?ちょっと響きがスタイリッシュです(笑)有名人でも、よく居るみたいだし。

それで、知的能力って、何のことを言っているか、ということなんですけど、結局、知的能力に対する定義はありません。言葉の能力とも違うし、認知的な課題(パズルとか絵の類推とか)が出来ること(動作性課題、などとも言われていました)、と言うわけにもいきません。

なぜなら、音楽やスポーツなどの芸術・表現領域、友達とうまくやる能力、老人になってかえって伸びる能力、知識が増えたり賢人になったりすること、人生の様々な経験に対処できるようになること、それらは結晶性知能と言われたりしますが、知的な能力として、心理学でも扱われています。老人では、認知的な課題や処理能力は、20歳位の人と比べて、明らかに劣るし、遅いんです。

そもそも、知的能力って何か、ということなんですけど、その究極の定義が、凄いんです。

知能検査で測られるもの

です。凄くないですか?

俺がそう言ったから、そうなんだ!!

なので、知的能力障害、とかあまりビビらなくてもいいと思います。あなたも、検査で測れない、素敵なもの、たくさん持ってないですか?人を好きになる理由って、知的検査で測られるものであったことが、あなたにありますか?算数課題ができないととか、ことわざをたくさん知ってないと、とかパズルができないと、とか。認知課題は、こう言った感じです。(まあ、「東大卒じゃないと!!」という方もいらっしゃるかもしれません;;。東大を出られている方は出られている方で、その知的能力と別の能力が相まって、独特な、固有のパーソナリティーを作られている感じがしますが^^ お話はさておき;;)

ここでは、一般的に「その年齢で可能となる認知能力、言語能力」の事を、知的能力、と言っています。

そして、「発達」のページで詳しく述べようと思いますが、しかし、それは、とても重要な観点なのです。
そして、大切なのは、それは一つの観点であり、その子自身、ではないということです。認知機能と出来ることが、相関していることは間違いないです。なので、2歳の子なら出来ること、3歳の子なら出来ること、という意味での「知的発達」があります。心理学的な積み重ねの結晶を、台無しにするような発言を先ほどしてしまいましたが 汗;;汗;; 私もその考え方に大きな恩恵に預かっています。認知的な能力、というのはあります。

第二の発達の観点

ここからが第2の知的な能力の視点です。
平たく言うと「その年齢の子どもがすることと相応な内容のことをするか?」ということです。ここで言う年齢が、主に認知発達を中心とした、その子の知的発達年齢であることに注意です。実際の年齢ではないです。

つまり、認知的な課題がその年齢相応の子どものように出来るのに、コミュニケーションだけ、著しく一方的である、とか、勝手な行動が多いとか、そう言った場合に、自閉的な可能性を考えます。そして、「自閉スペクトラム症」の定義に当てはまらなかったとしても、類似の配慮をしてあげることやこちらがその特性を踏まえることで、必要な育児が出来たり、その子どもが情緒的に落ち着いたします。つまり、普通、2歳の子どもは、通常でも勝手な行動が多いです。私も、最初に息子を育てた時は、2歳児のあまりのどこかに行ってしまう具合に「こいつ、ADHDか?!?」と思いました。

発達年齢と比較してどうなのか、これが第2の知的な能力の視点です。

実際の年齢とばかり比べることは、ご本人にもご家族にも、不幸以外の何ももたらしません。比べて一般化する、ということは私たちの知的な能力の恩恵であったと同時に、私たちが見失っている、大切な心自身かも、しれません。

科学でできることとそうではないこと。その両方の特質を理解した上で、チェックリストや診断は、使うことをお勧めです。もしも判断に迷われたら、気軽にご相談いただくのも一つの手です。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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Posted by kids-d